21年間共に過ごした老猫を介護の末に失ったときの話-1

私は結婚するときに、独身時代から飼っていた二人のにゃんこを連れてきました。

それから、彼らが虹の橋を渡るまでの20年ちょっと、ずっと一緒に暮らしていました。

私は18の時に親元を離れているので、じつは、他の誰よりも二人と一緒に過ごした期間が長かったというわけです。

今回は、そんな二人との悲しい別れについて語ってみようと思います。

というのも、私が管理しているお花教室のサイトのアクセスナンバーワンは、この二人の最後のことだから(笑)。

おそにらくみんな知りたいことなのだなぁ…と思うので、こちらでは、もう少し詳しく描いてみようかと思います。

 

いつも黙って寝ていたとらじのおなかになぞのごりごりが

うちの二人のにゃんこのうちの一人、とらじくんはいつも寝てばかりのでした。

たまーに思い出しように甘えてきて鳴きまくりの時以外は、じーーっと寝ている。

とにかく冬はこたつから一歩も出ない、そんな子でした。

甘えてくるのもタイミング悪くて、ちょうど立ち上がらなければならないときだったり。

そんなある日、タイミングよくお膝に乗ってきたので、いつもの様になでながら、おなかのたるみをワシワシしていました。

「?」「あれ?」

おなかにふと謎のゴリゴリしたものを見つけたのです。

それ以外は特に具合悪そうなところを見たこともないので、嫌な予感はしつつ、大したことないよね~と思っていました。

でも、ある時、こたつから出てきてソファに丸まっていたとらじが急におかしな動きをし始めたのです。

けいれん?とも思ったけれど、それともちょっと違う、とその時は思ったのでした。

だんだんとその頻度が高くなり、いよいよ心配になり、かかりつけの動物病院に連れて行くことに。

その時は血液検査などの結果から、若干腎臓が弱っているものの、大したことないと言われました。

輸液をしてもらい、帰宅。

まったく食欲が出ない。むしろ悪くなってる?

通うのは大変、ということで自宅で輸液をすることになったのだけど、輸液をするとむしろ体調がわるくなってる?という感じでした。

だんだん衰弱していく感じにさえ見えました。

食欲もどんどんなくなり、何を与えても食べてくれない。
強制給餌も試みましたが、全身で拒みます。

その頃の私は、「食べない=死んでしまう」と思っていたので、必死でした。

でも、彼は食べることを全身で拒否している、そんな感じでした。

 

不安に耐えられなくなった私は、いつもの病院の先生に尋ねました。

「本当に大丈夫ですか? 急に悪くなって死んでしまう事ってないんですか?」

それに対して、先生ははっきりと「そんなことはない」と答えたのでした。

 

日に日に痩せていくとらじ。

輸液も苦しそう。

このままじゃ死んでしまう、夜中に不安になっては、明日こそ別の病院に連れて行ってみようと決心するのですが、なぜか朝は元気だったりして。

「今日は元気になるかも」と期待しては夜に不安になる、そんな繰り返しの日々でした。

ある日の夜、フラフラになりながら、私の寝床にやってきたとらじ。

一緒に寝るタイプの子じゃないのに、にゃあにゃあ鳴いて私の腕に入りたがりました。

細くなってしまった体を横たえて、私を見つめていました。

 

その日は突然やってきた…寝耳に水の診断は腫瘍

翌朝、起きるととらじはガクっと弱っていました。

「これは絶対だめだ」
そう思った私は、近所に新しくできた病院に連れて行きました。

診察台に乗せて数秒で「これは腫瘍ですね」と言われたのです。

さらに、血液検査をした結果、「こんなになってしまっていてはもうどうしようもない」と言われました。

死んでしまうことはない、と言われていたのに、もう手の施しようがないという診断を受けたのです。

青天の霹靂とはまさしくこのことです。

 

最後の望みをかけて、入院させていただく事にしました。

出来るだけのことをしてあげたい。
明日になったら、元気になってくれているかもしれない。

そう思って、先生に託したのです。

 

 

最悪なパターンの中での最後の判断

祈るような気持ちで迎えた朝。

動物病院の先生から電話が。

「実は預かってすぐ大きな発作がありまして。一晩中処置しましたが、もはやけいれん止めを投与していないとけいれんが止まらないのです」
とのこと。

最悪のパターンでした。

「今はけいれん止めが効いているので、とろんとしている状態ですが…どうなさいますか?」

どうなさいますか?って、どんな選択肢があるの?ともうパニック。

たまたま週末で子どもたちもいる。
とっさに、苦しみもがきながら死に行く姿を子供たちに見せてよいのか?という気持ちが沸き上がる。

病院で看取ってもらった方がいいのか?とか考えているところに、主人がこういったのでした。

「安楽死させてあげよう」

そんな選択肢は、その時の私の頭には全く浮かばないものでした。

でも、不思議なもので、その言葉を聞いたとき、もしその処置をして急によくなったら?なんてありえない前向きな思考が浮かぶのです。

数パーセントでも可能性があるかもしれないのをゼロにしてしまってよいのか?そんな気持ちになるのです。

主人は過去にその経験があるらしく、それがとらじのために一番いい、と。

まだパニックな気持ちの中、処置と引き取りを主人にお願いしました。

 

いつもの日常の中で旅立ったとらじ

主人に連れられて家に戻ったとらじは、うつろな目はしていましたが、とても穏やかな顔でした。

わたしはなぜか、できるだけそばにいてあげよう、というよりも、できるだけ普通にしていようと思いました。

当たり前の暮らしの音を聞かせてあげたいってなぜか思ったのです。

「猫は死にざまを見られたくない」という説を信じているからなのかもしれません。

ただただ泣いている自分を家族に見せたくなかったからかもしれません。

ちょっと薄暗い、落ち着くところにとらじを横たえて、私はごく普通に家事をこなしていました。

なぜかその間、これまでいちばんとらじと触れ合っていた下の娘がずーーっとそばにいてくれました。

誰がそういったわけでもないのに、傍らに寝転んで、話しかけながら撫でて。

ほどなくして、呼吸が浅くなり、ふーーーっと息を吐いて、とらじは虹の橋を渡っていきました。

 

安楽死という選択がは正しかったのか?

とらじの最後は本当に穏やかで。

たまたま見つけられたペットの葬儀屋さんはとてもサービスが良くて。

きちんと毛皮も空に返してあげられたのだけど。

 

あまりにも穏やかな最後の姿だったから、なのでしょうか。

「安楽死」が正しかったのか?という思いでしばらく苦しみました。

数パーセントの確率を奪ってしまったのか?って。

もっと生きたかったんじゃないかって。

 

でもやっぱり違うんでしょうね。

そこに至るまでも相当苦しかったんだと思うし。

やっぱり猫的には絶対飼い主さんを悲しませたくないと思うわけで。

いまならあれでよかったんだって、思えてます。

 

4年もたってるのに、いまだにこうしてつづりながら号泣する飼い主を、空の上から「しかたないにゃあ」って言いながら見てるのかな(笑)

 

とらじを失った経験からみなさんに伝えておきたいこと3つ

とらじの場合は、様子がおかしくなってから最後まで、約2か月ぐらいの出来事でした。

その間に経験したことで皆さんに知っておいてほしいことを3つほど、お知らせしますね。

1. ちょっと手でも不安に感じたら動物病院を変えてみよう

この時につくづく思ったのは、病院は(人の場合でもそうですが)、ちょっとでも「?」って思ったら、どんどん変えてみるべきってこと。

特に動物病院って、得意な動物っていうのがあるんじゃないかなって思います。

「動物」って、ひとくくりにしちゃいけないですよね。本当に多種多様。

そもそも食べてるものが違えば体に必要なものが全く違うわけで。

すべての動物に詳しくあるべきっていうのは、獣医さんにとっても酷な話。

突っ込んで質問したときに、すっと答えられなかったら、他の病院を探してみましょう。

「いい先生」でも、間違えしまうことはありますから。

 

2. 皮下点滴 (輸液) の効果は猫それぞれ

腎臓の機能が弱るとついてくるのがこの皮下点滴。

自分でやることもできるので、通うという負担はなくなってきたけど、その効果は猫それぞれなのじゃないかなって思います。

実際、とらじの場合は、これをしても全くよくなる気配はなく、むしろ具合悪そうでした。

でも、続けないと命を縮めてしまう、そんな気がしてやめられませんでした。

今思えば、直接の死因は腫瘍だったので必要なかったのかもしれません。

 

3. 強制給餌は必要ないのかも

これまてみなさんが悩むであろう、ごはん問題。

ごはんを食べないと、やっぱり命が短くなっちゃう気がして、何としても!と手を変え品を変え、チャレンジしますよね。

でも、とらじは全く受け付けませんでした。

その一方で、ほおっておいてもカリカリをちょっぴり食べてみたり。

動物は今の自分に本当に必要な量を知っているのでしょうね。

残り少ない命に対して必要な分だけ食べていた気がします。

無理やり口をこじ開けて、苦しい思いをさせるくらいなら、少しずつその残り時間を感じながら穏やかに過ごすのもありかな~と今なら思います。

 

以上、過去の記憶を掘り起こして書いてみました。

誰かの参考になったらうれしいです。

 

介護でつらいなぁ…弱っていくペットさんを見るのがつらいなぁ…って思ったら、愚痴りに来てくださいね。

いつでもお話聞きますから。

あなたの思い、ここで吐き出してみませんか?

誰にも言えない気持ちも
自分を知らない誰かになら話せるかもしれません。

のりのりと話してみる!

最新情報をチェックしよう!